U.S.A., 2002/07/02
デュポンがNASAと提携、宇宙へ大豆を打ち上げる
-宇宙初の大豆栽培は将来の利益探求が目的-
<米国ニュース>
米国デュポン社は6月初旬、米国の宇宙実験に参加し、世界で極めて大量消費されている大豆の新しい科学研究に道をひらく宇宙研究を開始しました。
デュポンは以前から続けてきた米航空宇宙局(NASA)との共同研究の一環として、ウィスコンシン-マジソン大学にあるNASA商業宇宙センターのウィスコンシン・センター・フォー・オートメーション・アンド・ロボティックス(WCSAR)*と提携。先頃打ち上げられたNASAのスペース・シャトルに大豆を乗せ、宇宙で育てるというこれまで例のない大豆の開発研究に着手しました。
種子の植付けから収穫まで、完全に宇宙で大豆を育てるのは世界初の試みですが、宇宙における大豆の成長の違いや、無重力状態が大豆の生長や生育状態に与える影響を調べることを目的にしています。
デュポンの子会社であるパイオニア・ハイブレッド・インターナショナル**とWCSARは、宇宙で育てた大豆の苗から収穫した種子を分析し、油分、タンパク質、炭水化物、あるいは二次代謝産物に、農家や消費者にとって利益となる改善が見られないかを調べます。改善がみられた場合は、その遺伝子を持ち帰り、地上で培養することも検討しています。
このプロジェクトでは、WCSARが開発した育成室の中に特殊なトレイを置き、そこにパイオニア・ブランドの大豆を植えます。育成室は、スペース・シャトルから国際宇宙ステーション(ISS)へと運ばれ、70日間の実験期間中に大豆は発芽、成長し、種子をつける予定です。研究者たちは、宇宙ステーションから送られるビデオ映像やデータを通じてこのプロセスを監視することができます。
育てた大豆と収穫物は、夏にスペース・シャトル・エンデバ-が地球へ持ち帰ります。特に望ましい資質を備えていた種子については、パイオニアの研究者が栽培し、その資質が将来の世代にも引き継がれていくかどうかを確認します。また、パイオニアでは、こうした資質の遺伝的性質を調べ、農家で大豆の効率や収益性を改善できるようその成果を利用していく予定です。
*WCSARは、産業界で新しい製品やプロセスの開発や商業化のための宇宙利用を促進しており、環境管理のための技術や設備、植物の遺伝形質の転換技術、生合成強化技術、ロボットおよび自動化技術を提供しています。
**米大豆委員会によると、人類の食生活の中で大豆は単体で最も多量のタンパク質と植物油が摂取できる食品です。アメリカ国内では、食用とされる脂肪および油の8割が大豆から摂取されています。2000年、世界の大豆取引の54%はアメリカからのものであり、大豆および大豆製品の輸出総額は66億ドル。世界最大の種子会社であるパイオニア(デュポン100%所有)は、市場に100種余りの製品を送り出しています。
以上