U.S.A., 2003/06/24
宇宙大豆は地球大豆とほぼ同じ
~デュポンの研究により宇宙探査での
作物栽培がもたらす将来の利益が明らかに~
<参考資料>
米国デュポン社(本社:デラウエア州ウィルミントン、会長兼最高経営責任者:チャールズ・O・ホリデー・ジュニア)は、6月10日(米国時間)、デュポンの研究者が、前例のない宇宙での研究により、宇宙で育てた大豆が地球で育てた大豆と同じであることを発見し、これにより、人類の長期宇宙滞在を支えるための持続可能な作物栽培の実現に道がひらかれたこと発表しました。大豆は、現在、世界で極めて多量に消費されている作物の一つです。
昨年10月に帰還した「スペースシャトル・アトランティス」で実施されたこの研究は、デュポンの研究者があらかじめ地球上で育てた大豆の種子を国際宇宙ステーションで発芽させ、苗となり、花を咲かせ、新たな種子をつけさせる、というものでした。この97日間にわたる栽培研究活動は、主要作物の種まきから新たな種子の収穫までの栽培サイクルを宇宙ですべて行った初の試みとなりました。
10月以降、デュポンは、宇宙育ちの83個の大豆の種子を使って、いくつか分析研究を行いました。宇宙育ちの種子を手作業で分け、半分は土にまき、残り半分は生物学的特性を調べるためすり潰しました。そして、この宇宙育ちの種子とそれから育った苗を、地球育ちの様々な大豆の種子や苗と比較しました。数ヶ月にわたる分析の結果、デュポンの研究者は、宇宙育ちの大豆と地球育ちの大豆は物理的および生物的特性、発育速度、形態学、種子の収穫率のいずれにおいても変わりないことを発見しました。また宇宙育ちの種子は、糖質が豊富で脂質とアミノ酸の含有量が少なくなっており、これは、国際宇宙ステーション内の二酸化炭素濃度が高いためだと考えられます。
「これで、長期にわたる宇宙旅行において、食料や大気の清浄機の役割として、大豆を作物栽培できることが明らかになった。このプロジェクトは大成功を収めた。当初は、重力の無い宇宙では種子をまいても成長どころか発芽すらしないのではないか、と心配していたが、結果的には宇宙で初めて主要作物の種まきから新しい種子の収穫までの成長サイクルを実現できた。また、国際宇宙ステーションで育てた初の主要作物ともなった。宇宙で栽培された大豆の効用を研究することで、大豆に関する知識が広がり、栽培農家向け大豆種子の継続的な改良を促進できた」と、この研究活動を率いたデュポンの研究者、トム・コービン博士は語っています。
| 昨年6月には、デュポンの子会社であるパイオニア・ハイブレッド・インターナショナルが、ウィスコンシン-マジソン大学にあるNASA商業宇宙センターのウィスコンシン・センター・フォー・スペース・オートメーション・アンド・ロボティックス(WCSAR)と共同で、「スペースシャトル・エンデバー」で大豆の種子の実験を開始しましたが、この研究活動の一環として、WCSARが開発した育成室の特殊なトレイでパイオニア®ブランドの大豆種子が栽培されました。パイオニアの研究者は、日々、大豆の成長を観察し、成長を促進するため栄養分を調整し、また、国際宇宙ステーションから送られてきたビデオ映像とデータを通じて、無重力等の宇宙における要素が植物の成長に与える影響についても検証しました。 |
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米大豆委員会によると、人類の食生活の中で大豆は単体として最も多量のタンパク質と植物性油脂が摂取できる食品です。アメリカ国内では、食用脂肪および油脂の8割は大豆でまかなわれています。2000年、世界の大豆取引の54%はアメリカからのものであり、大豆および大豆製品の輸出総額は66億ドルを超えています。パイオニアは、世界最大の種子会社であると同時に、市場に100を超える大豆品種を送り出すブランドリーダーでもあります。
「これはデュポンにとっても、当社のパートナーにとっても、またとない科学研究のチャンスであった。サイエンスカンパニーである当社は、未来に目を向けると、まったく異なる結果やニーズから今後の研究の機会が生まれる場合があることを知っている。発見のプロセスでは、次なる革新の波を起こし、どのような分野であれ新たな意義のある革新を発見するために、これまでにはない道を模索する必要があることがしばしばある」とコービン博士は語っています。
デュポンは、33年前のNASA設立以来、宇宙探査活動に実績を重ねてきました。例えば、1969年にニール・アームストロング船長が月面に降り立ったときに着用していた宇宙服には、25層のうち23層にデュポンの素材が使われていました。1984年にはパイオニアのトウモロコシ種子を載せた「スペースシャトル・チャレンジャー」が打ち上げられましたが、このときの種子は宇宙でまかれることはなく、地球へ戻ってから科学研究に利用されました。
WCSARは、産業界で新たな製品やプロセスの開発や商業化のための宇宙利用を進めています。環境管理のための技術や設備、植物の遺伝形質の転換技術、生合成強化技術、ロボットおよび自動化技術を提供しています。
デュポン社の子会社であるパイオニア ハイブレッド インターナショナル社は、生産者、畜産業者、穀類および脂肪種子加工業者が希望する仕様に合わせたソリューションを提供するグローバル企業です。アイオワ州デモインを拠点に、先進の植物遺伝技術、作物保護ソリューション、質の高い栽培システムを70カ国ほどの顧客に提供しています。
1802年に創立されたデュポン社は、米国デラウェア州ウィルミントンに本社を置くサイエンス・カンパニーです。世界70カ国余りに拠点があり、エレクトロニクス、輸送、住宅・建築、通信、農業、栄養食品、安全・保護、アパレル分野で、科学的な発見や発明を基盤に、人々の生活を豊かにする製品やサービスを提供しています
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注)®はデュポン社の登録商標です。